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08~12/NOV/2014 at Kilimanjaro

話は山頂アタックの5時間前に戻ります。
 

運命の時に向けて仮眠をとろうとベッドに横になる私。

でも緊張からか心拍数の高さからか全く熟睡できず、寝ているのかどうかも分からないままとにかく目を閉じて体を休ませます。

そして日付が変わった頃、キボハットを出発。

前を歩く人のヘッドライトや岩を頼りに、どんどん前に進む。
さっき見ていた場所が、今いる場所になって行く。

だいごろは呼吸に集中するために足元だけ見て歩いてたって言ってたけど、私はこれから先の道をずっと見ながら歩いてた。

ギルマンズポイントに着く直前。
最後の数時間は十センチの段差を登ることさえ難しくて、ガイドやだいごろに手を引っ張ってもらって登った。

そしてギルマンズポイント到着。

やった!ここまでこれた!!

振り返ったとき、雲間から見える朝日が眩しかった。
目に涙が滲んだ。

でも、ここが私の目標じゃない。
キリマンジャロのピークはまだ先。

再び歩き始める。

でも足がふらふらでも気持ちはしっかりしていた。
幸い高山病の症状も大した事はなさそう。

はるか先にウフルピークの看板が見えた。

ゆっくりゆっくり。

ただひたすら、一歩一歩を踏みしめる。

そしてついにウフルピークに立った。

後ろを振り返って、だいごろとぎゅっとハグする。
 

できた!

できた!!

できた!!!

何回も叫んでいた。
 

看板を背に二人で写真を撮ったとき、朝日が体全体を包んでくれた。

暖かい。

幸せ。

大きな達成感で全身が満たされました。
PB110130
 


さて、今日の本題はここから。

恥ずかしいからあんまり気が進まないけど書きます。笑
 

ウフルピークで写真を撮った後、だいごろが何やらカバンをごそごそし始めました。

そして出てきたのはキリンの指輪。

指輪というか、私の指には大きすぎるぶかぶかの輪っか。笑
PB110140

”きっこ。結婚してください。”

”えっ? ありがとう。”

だいごろと付き合い始めてもう7年目になるけど、だいごろは普段全然サプライズなんてしないからこんなの初めて。

結婚しようって日頃から言ってたから、今更?!と思ってちょっと戸惑ってしまった。笑
 

この指輪は、麓の村で私が療養してたときにだいごろが用意してくれたもの。

そういえばキリマンジャロ登山の前日、日が暮れてもなかなかだいごろが帰ってこなくて心配したんだった。

閉店間際のお土産屋さんに駆け込んで、ネックレスとブレスレットをバラバラにして、ビーズを一つ一つ糸に通して作ってくれたそうです。
IMG_2827

これが私たちの婚約指輪。
キリンが大好きな私のためにワンポイントは木彫りのキリンです。
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手袋を外して、左手の薬指につけてみる。
PB110140

ぶかぶか!笑
PB121973 2

手につけた指輪を二人で掲げると周りにいた登山客とガイドから拍手と歓声が起こりました。

このキリンの指輪は大切な宝物。

日本に帰るまではパスポートを入れた腹巻に大事にしまっておくよ。
PB110147
 

思い返せば、だいごろはふもとの村で療養してるときからごはん作ってくれて休ませてくれて、登山に必要なものを調べて全部準備してくれた。

用意してくれた防寒具や高山病の薬、グルコースの粉も役立ったし、登山中も高山病予防のために水をたくさん飲むように気を配ってくれた。(登山中は1時間ごとに500mlの水をガブガブ飲まなくてはいけません。)

それにだいごろがジャスパーと交渉して日程調整してくれたおかげで、だいごろと2人だけのグループで登れた。大人数のグループだったらきっと気を使って自分のペースで登れてなかった。
天気もずっと晴れていて申し分なかった。

だいごろの助けがなかったらきっとここには立ててなかったと思う。

どうもありがとう。
 

ということで、なんかだいぶ今さらですが婚約しました。
PB110130

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山頂のウフルピークは気温も低いし高度が高くて体への負担が大きいので、滞在時間は最小限にしてすぐに下山開始。

もう足はガクガクで動かない。

でも、行きと同じように一歩一歩進むしかない。

段差があるたびにガイドの手を借りる。

ただひたすら進む。
PB111914
 

そして山頂アタック開始からおよそ11時間。

ベースキャンプのキボハットまで戻ってきました!
 

でも今日はまだ終わりじゃない。

ここで昼食をとったら、今度はホロンボハットまで戻る。

かなりきつい。

もうふらふらを通り越して意識がもうろうとしてくる。

でも自分の足で進む。

いつか辿り着けると信じて。

ホロンボハットに到着したのは夕方5時前。

山頂アタック開始の実に16時間半後でした。

到着後はすぐに夕食を食べてベッドへ倒れ込み、二人とも朝まで泥のように眠り続けました。
 


そして登頂の翌日。

昨日よく寝たおかげでへろへろだった身体もすっかり回復。

ウフルピークに立てた喜びを噛み締めながら軽快に山を下ります。

登頂したことを思い返すと嬉しくてニヤニヤを抑えることができませんでした。

できた!できた!

そう呟きながら半分駆け足で下ります。

そしてあっという間にふもとに帰還。

登りの半分以下の時間で無事マラング村まで帰って来たのでした。
 

 

おめでとう、私!!

おめでとう、だいごろ!!
PB111919
 

おわり



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